京Pブログ

「重い障害があっても挑戦したい」難病の人たちのそんな想いに少しでも手助けになるよう、自身の体験談等をお伝えできればと思います。

経営難でもひるまない父の姿

 昨日は父の日だったので、メールで日頃の感謝を伝えました。

 

 うちは椎茸農家であり、基本的に休みはありません。休むとすればお盆休みと正月休みくらいですが、儲けを少しでも上げるためには致し方ないところです。

 

 栽培方法は原木栽培を行っています。味や香りがよいと言われる原木栽培ですが、出来るまでの工程には相当な負担があります。

 

種づくりに種打ち、木起こし、水槽につける作業等手間はすごいです。中でも木起こしは重労働な作業になります。

 

木起こしによって木は刺激を受けるため、椎茸は育ちやすいと言えますが、その反面この作業は足腰に深刻なダメージを与えます。毎日毎日30kgから60kgの木をさげるので無理はないでしょう。

 

そんな過酷な環境からか父は毎日苦しんでいます。足のけいれんや坐骨神経痛がひどいからです。唸り声を上げながら「痛い痛い」と聞くたびに、こちらもしんどくなってきます。

 

 若い頃はまだしもやはり年齢には勝てません。年を重ねて体力低下もあると思います。

 

 父は最近痔ろうの手術をしました。木をさげるときに踏ん張ることが多かった影響からです。年々蓄積した疲労は体中に広がってきました。

 

 いくら頑張って椎茸を出荷しても、まともな収入は得られないです。原木や種代は高いわ、その他資材費はかかるわで、手元に残るのはほんのわずか。貯金を切り崩しなんとか生計を立てています。

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よく「なんのために仕事しているのか分からない」「辞めたい」と口にしていますが、体は満身創痍で儲けが少なければグチは出ますよね。家族のためにここまでのモチベーションが保てるのは尊敬です。

 

 その上自身の介護で、母は長い時間仕事にいけません。にもかかわらず自身の在宅に理解を示してくれる。大変ありがたいです。

 

気管切開をして今までより大変になるかもしれないのに、快く「帰っておいで」と言ってくれました。

 

帰ってからもしんどいにもかかわらず、懸命に介護を手伝おうとする姿勢も感じました。その気持ちはとても嬉しかったです。

 

 父の唯一の楽しみは晩酌をしながら野球を見ることです。酒の量は半端ないので、体の心配はあります。

 

でもこんな苦しんで仕事に励んでいるのだから、楽しみは必要だと思います。いろいろな想いはなんとも複雑です。

 

 だましだまし苦痛を押して仕事に邁進する父ですが、いつ限界に達するか分かりません。そんな父に対して自分が唯一出来ることは、1日1日を精一杯生きることだと思います。

 

 昨日は「薩摩の日」だったそうですが、「西郷どん」のように誰かを守ろうと必死に気張っている父に拍手を送りたいです。