想像以上に画期的 しゃべれるエクセル
この間読んだ本に気管切開のことが詳しく書いてあり、「声を残すことの重要性」について言及されていました。
自分は知識はあるのだと思い込み、気管切開のアドバイスしてきましたが、そうではないことに本を通して気づかされました。さらに自分の知識を向上させてくれたこの本に、この場を借りてありがとうと言いたいです。
ふと思い返してみると、僕は次第に筋肉が破壊されていく病気でした。ということは将来は声を出す筋肉も減っていくでしょう!
気管切開になっても尚、しゃべれることは大きな喜びであっても、これから迫りくる苦難に立ち向かう術をいくつか身につけておこうと思いました。
そこで、代表的なモノが「音声認識システムの構築」です。
最近は、「自分の声を再現出来る音声認識システム」も登場しましたが、まだテスト段階なので、公にされるのにまだまだ時間がかかるようです。
その代わりと言っても、自分の声を再現出来るわけではないので、何とも言えませんが、「エクセルで音声認識機能」が使えるのはご存知ですか?
最新のオフィスは男性の声を内蔵していないですが、ひと手間加えるだけでそれが可能となります。
これに僕がアレンジを加えた、「セルをクリックするだけで言葉をしゃべる音声認識プログラム」をご紹介しましょう!
※あらかじめ説明しますが、この方法はWindows10しか出来ないので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
ダウンロードとインストール
1.↓ まず以下のサイトにアクセスします。
https://ja.osdn.net/projects/aozoravoice2/releases/65758
2.かなり分かりにくいですが、スクロールしていただければ、
出典元:リリース Aozoravoice2 05 Windows10 関連 - Aozoravoice2 ms haruka Windows10 - OSDN
「05 Windows 10.zip」をクリックして、ダウンロードします。
3.ダウンロード後、「ダウンロードフォルダ」から「05 Windows 10.zip」をクリック。
4.「展開」をクリック。さらに「すべて展開」をクリックします。
5.表示されたダイアログから、解凍先を指定して「展開(E)」をクリック。
6.展開されたフォルダ「05 Windows 10」の中の、「Windows 10 SAPI5化」をダブルクリック。
7.お手持ちのパソコンが32bit版か64bit版か確認していただき、32bit版であれば「Win10 32bit版」を、64bit版であれば「Win10 64bit版」をダブルクリックしてください。
8.「01 SAPI5登録」をダブルクリック。
9.今度はオフィスのバージョンを確認していただき、32bit版であれば「win10 xxbit 32bit用ソフト ichiro sapi5 登録」を、64bit版であれば「win10 xxbit 64bit用ソフト ichiro sapi5 登録」をダブルクリックしましょう。
10.「発信元を確認出来ませんでした。このソフトウェアを実行しますか?」というメッセージが表示されますが、無視して「実行(R)」をクリックします。
11.以下のメッセージが表示されるので、
出典元:レジストリの警告「レジストリ エディター」
「はい(Y)」をクリック。
12.「レジストリに正常に追加されました。」と言われるので、「OK」をクリックします。
これでエクセルの音声認識機能を、男性の声で利用出来るようになりました。
音声合成設定
この設定をしないと、男性の声を使うことが出来ません。このシステムの肝なので、設定しておきましょう!
1.まずデスクトップから、「スタート(白いタイルのマーク)」をクリックします。
2.「Windowsシステムツール」をクリックし、
3.「コントロールパネル」をクリック。
4.「カテゴリ」から、「小さいアイコン(S)」を選択します。
5.次に、「音声認識」、「音声合成」と進んでください。
6.ダイアログが表示されたら、「音声の選択(V)」の欄のドロップダウンボックスから、「Microsoft Ichiro Mobile - Japanese (Japan) を選択します。
以下のようになれば大丈夫です。
出典元:音声認識のプロパティ「Windows10」
7.「適用(A)」をクリック。
8.「OK」をクリックで完了です。
エクセル「開発」タブの表示
エクセルのセルをクリックするだけで読み上げを行うには、マクロを編集しなければなりません。その為に「開発」タブの表示が必要です。
1.エクセルを起動させたら、「ファイル」をクリックします。
2.続けて「オプション」をクリック。
3.ダイアログが表示されるので、「リボンのユーザー設定」をクリックし、メインタブの中の「開発」に✔を入れます。
以下のようになっていれば大丈夫です。
出典元:リボンのユーザー設定「Microsoft Excel 」
4.「OK」をクリックすると適用されます。
セキュリティ設定
マクロを利用するにはセキュリティの設定も重要なので、一応確認しておきましょう!
1.エクセルのホーム画面から、「ファイル」をクリックします。
2.続けて「オプション」をクリック。(ここまでは開発タブ表示と同様)
3.ダイアログが表示されるので、「セキュリティ センター」をクリック。
4.Microsoft Excel セキュリティ センターの欄から、「セキュリティ センターの設定(T)...」をクリックします。
5.さらにダイアログが表示されるので、開発者向けのマクロ設定の欄の「VBA プロジェクト オブジェクト モデルへのアクセスを信頼する」へ✔を入れます。
6.「OK」をクリック。
7.次も「OK」をクリックでマクロが許可されました。
マクロの入力
1.エクセルのホーム画面から、「開発」をクリックします。
2.「Visual Basic」をクリック。
3.新しい画面出てくるので、「プロジェクトーVBAProject」欄の「VBAProject (Book1)」の中の「Microsoft Excel Object」の中、「Sheet1 (Sheet1)」をダブルクリックしてください。
4.新たな小窓が出現したら、以下をコピペします。
Private Sub Worksheet_SelectionChange(ByVal Target As Range)
Selection.Speak
End Sub
以下のように
出典元:編集画面「Visual Basic」
5.あとはワークシート1に文字入力していけば、ワークシート1で「セルをクリックするだけで言葉をしゃべる音声認識プログラム」に男性の声が入ります。
✔ 最後は保存になりますが、必ず「Excel マクロ 有効ブック (*.xlsm)」にしてください。せっかく入力したものが消えてしまうからです!
やり方は、
「ファイル」→「名前を付けて保存」→ファイルの種類(T):の欄から、「Excel マクロ 有効ブック (*.xlsm)」を選択。
ファイル名を入力して「保存(S)」をクリックすれば完了です。
まとめ
「セルをクリックするだけで言葉をしゃべる音声認識プログラム」を説明してきましたが、いかがでしたか?
僕は最初は便利な機能だと思いましたが、男性の声がないのでもったいないと思いました。そこで、今回の流れに至ったわけです。
気管切開後は、「伝わりにくい状況」が2ヶ月ほどあっても、看護師さんに伝わりやすかったし、今現在も新しいヘルパーさんに慣れるまでの間、大活躍しています。
もちろん話が伝わりにくい女性にも、あらかじめ内蔵されている「女性の声」を使用することでハイテクになりますが、男性にも躊躇なく使用する方法になると思います。
ぜひ、この機会にお試しあれ!