死の恐怖から痛感したもの
先日、深夜に呼吸が苦しくなり救急車で運ばれました。
その日は3日続けて便があまり出なかったので、もしかしたらその影響があったかもしれないですが、検査結果からも原因は分かりませんでした。
目が覚めたのが深夜1:30のことです。最初は声があまり出なかったので、「あれ、おかしいな」と思いました。不安になって母を起こそうとしましたが、言葉になりません。
そうしているうちに膨満感も息苦しさも増していきました。
そもそもパルスオキシメーターをはめていないのが、いけなかったと痛感します。「正確な値が出ない」「何ともないのにアラームがなったりする」のが、うざったいからですが、大丈夫と過信したのは反省しました。
そういうわけで、どんだけ頑張っても伝わらないのです。
声を出すのも体力を使うため、しんどいのが重なると余計に疲労がたまります。冷や汗は出るし、尿は漏れるし、だんだんと耐えられなくなりました。
懸命に呼吸をするたびに弱っていくのが自分でもよく分かります。しんどさを通り超すと楽になっていったからです。
正直もうダメかと想いました。もうこの症状は「死への入り口に足を踏み入れる」状態でしたから、ある程度腹をくくりました。
最後の力を振り絞って声を出します。意識が薄れそうになりながらも「命をかけた一声」はようやく母に届きました。
異変を感じた母はアンビューバックで必死に空気を送ってくれました。この判断が正しかったです。一時は82%しかなかった酸素飽和度も正常値に回復。意識もしっかりしてきました。
その後は両親が協力して連絡し合い、救急車で病院に行きます。CTを撮り、念のためにひと晩入院することになりました。
先生の見解としては、「CTも血液検査も夜間酸素飽和度も異常ない為、一時的にカニューレの位置がずれて空気の漏れが起きた」というものです。
イマイチ先生も分からないようで、モヤモヤ感が否めませんが、このエピソード後は何も起きていないので、一件落着にします。
ただ、今回の経験において注意すべき点も見えてきました。またこの様なトラブルがないとは言えませんし、備えられることは事前にやっておこうと思います。
今回の経験から学んだ注意点
・パルスオキシメーターは必ずつける
パルスオキシメーターのアラームがないと声が出ない場合、気づいてもらえない可能性があります。手遅れにならないうち軽傷で済ますには必要です。覚醒時はまだしも、状態が変わりやすい睡眠時は特に重要なようです。
・浣腸や下剤は毎日服用 便やガスを溜めない
重度な筋ジストロフィー患者は踏ん張る力がない為、便やガスが溜まりやすい傾向にあります。そこを出しやすくしてやるには浣腸や下剤に頼らざるを得ません。
先生にも「腸閉塞に気を付けて」と教えていただきましたが、お腹がぱんぱんになり、横隔膜を押し上げると呼吸がしにくくなるようです。ましてや呼吸筋が弱いことを加味すれば、常に溜めないことが大切に思います。
・カニューレのカフ(風船)の膨らみ具合を確認
痰やだ液が落ち込むと窒息の恐れがあります。カフはそれをせき止める壁のようなもので、風船を膨らませることで肺への侵入を防ぎます。徐々に空気が抜けてくるので、確認作業が大事になります。
自分がカフなしでチャレンジした時は、本当に窒息をして大変な目に遭いました。
・アンビューバックの使用
呼吸器は一定の空気しか送らない為、空気がより多く必要な状態には適しません。設定を変える方法はありますが、先生の指示が必要です。その分アンビューバックは手動なので、力加減で調整がいくらでも効きます。
※パルスオキシメーター:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC「Wikipedia」
※腸閉塞:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%85%B8%E9%96%89%E5%A1%9E%E7%97%87「Wikipedia」