京Pブログ

「重い障害があっても挑戦したい」難病の人たちのそんな想いに少しでも手助けになるよう、自身の体験談等をお伝えできればと思います。

鼻マスクからカニューレ(気管切開)移行後の変化

 筋ジストロフィー進行の影響で気管切開の手術を受けて、8ヶ月が経ちました。

 

 鼻マスクの時には痰がつまって窒素しかけたこともありましたが、もうその心配はありません。気管から痰吸引ができるようになりました。

 

食事ができなくなったのは残念でしたが、意外や意外痰らしきものはほとんどでません。プラスα加湿器のおかけでとても楽になりました。

 

マスクの調整の必要がなくなったことが一番よかったです。人に伝えて調整しでもらうのは至難の業でした。

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 思えば今は気管切開に肯定的な自分も以前は否定的でした。

 

 「しゃべられなくなる」「痰がめちゃくちゃ増えて苦しくなる」「身体が極端に弱ってもう二度と在宅ができなくなる」のようにネガティブなことばかり浮かんでいたからです。

 

 気管切開決断のきっかけになったのは、進行のため痰が気管にからみやすくなったことが一番の理由です。

 

吸引も排痰介助もあまり効果がなかったため、いつ窒息死してもおかしくない状態でした。

 

「このままではいかん」先生にも正しい方向に導いていただき、思い切って手術に踏み切ることになりました。

 

 術後は想像を絶する苦しさに、「ああ人生終わったなと思いました。慣れてくるまでは発声もまともにできなかったし、二週間はほぼ寝られませんでした。

 

術後に発声がうまくいかなかったのには理由があります。

鼻マスクの時は、空気を吐くときにしゃべっていたものが、カニューレでは、空気を吸うときにしゃべる必要があるからです。

 

 そうやって悪戦苦闘しながらも慣れていきましたが、家族のいない入院生活も初体験でしたので、ストレスは半端なかったです。

 

 時間が経つといつの間にか普通の生活になっていました。気管切開も気が付いたら鼻マスク以上に馴染んでいました。

 

 今は在宅に戻っています。当初は初めてのことだらけであたふたしていましたが、経過は順調です。

 

 では最後に、鼻マスクとカニューレの長所短所をメモっておきます。

 

鼻マスク

短所

•マスクの調整が大変

•マスクの跡がつく

•お腹にガスがたまって、心不全のリスクが高い

•吸引がしにくいため、窒素するリスクが高い

•声が出しにくい

•肺炎が重症化しやすい

•歯科治療がしんどい

•散髪・洗髪がしにくい

•メガネをかけにくい

 

長所

•首のまわりを洗える

•飲み込みやすい

•移動がしやすい

•加湿器をしなくてもよい

•カニューレ交換が必要ない

•ガーゼ交換が必要ない

•ヘルパーさんに対応してもらいやすい

 

 

カニューレ

短所

•首のまわりを洗えない

•飲み込みにくくなる

•移動が難しい

•加湿器が暑い

•カニューレ交換が必要

•ガーゼ交換が必要

•対応できるヘルパー事業所が少ない

 

長所

•マスクがない

•お腹にガスがたまらない

•吸引がしやすいため、窒素するリスクが低い

•声が出しやすい

•肺炎が軽傷で済む

•歯科治療か楽

•散髪・洗髪がしやすい

•メガネをかけやすい

 

 これは自身が感じたことなので、人によっては変わると思います。

 

ただ個人的に機能性を重視するなら鼻マスク命を重視するならカニューレです。